前庭リハビリテーション
〜めまい後遺症に対するアプローチ〜
杏林大学保健学部理学療法学科 助教
理学療法士 松村 将司先生
【学位・資格】
PT、Ph.D(理学療法学)、OMPT(JFOMPT/IFOMPT MO)、認定理学療法士(徒手)、GPTH
【学歴】
・東京都立保健科学大学(現、首都大学東京)健康福祉学部理学療法学科卒業
・首都大学東京大学院人間健康科学研究科理学療法科学域博士前期課程修了 修士(理学療法学)
・首都大学東京大学院人間健康科学研究科理学療法科学域博士後期課程修了 博士(理学療法学)
皆さんは、めまいを訴えている方に対してどのように対応しているでしょうか?
「ちょっと様子見て、悪くなるようなら医師に相談しましょう」
「首の凝りからきていると思うので、ほぐしてみましょうか」
こんな対応をしている方も少なくないと思います。果たしてそれで解決できているでしょうか?
めまいの原因はなんだったのでしょうか?
めまいに対する理学療法は大きく2つに分かれます。
A:頭位性のめまいに対するもの
B:内耳疾患後や中枢性疾患後のめまいに対するもの
Aのうち、理学療法が最も有効であると報告されている疾患が「良性発作性頭位めまい症」です。
なでしこジャパンの澤選手が発症したことでメディアでも取り上げられ始め、理学療法業界でも注目されてきています。
良性発作性頭位めまい症に対して治療した結果、その場で83.3%、翌日には91.7%改善したという研究報告が
あります。このように理学療法の有効性については、エビデンスが示されており、アメリカ神経学会ガイドラインでも推奨されています。しかし、日本ではまだ十分に知られていません。
実は、私自身が良性発作性頭位めまい症で2度苦しんだ経験があります。
初発時は原因がわからず,病院では投薬治療が選択されましたが2週間も苦しみました。
一方,2度目の際は自分自身で治療してみました。するとその場でめまいが改善。翌日には消失しました。苦しんだのは2時間程度でした。
患者さんは、どちらを望むでしょうか?
Bの内耳疾患後や中枢性疾患後のめまいに対する理学療法の目的は「前庭代償」を出すことです。
壊れていない部分で代償させ、めまい症状を軽減させていきます。
今回の講習会では下記についての講義と実技を行います。
1.めまいの基礎と種類
2.良性発作性頭位めまい症の鑑別方法と理学療法
3.頸椎のRed flagsの鑑別方法
4.内耳疾患後や中枢性疾患後のめまいに対する理学療法
それぞれのめまいに対するエクササイズや、メカニズムと方法をご紹介します。
その他、私が良性発作性頭位めまい症に対して理学療法を実施し、めまいが改善した症例も合わせてご紹介させ
て頂きます。
講習会終了時の目標は以下の通りです。
1.翌日から、めまいを訴える患者さんに適切な理学療法が実施できるようになる
2.安全に良性発作性頭位めまい症に対する理学療法を実施できる状態なる
3.内耳疾患後や中枢性疾患後のめまいに対する理学療法の適切なエクササイズを提案できるようになる。
世の中にはめまいで苦しんでいる人がたくさんいます。めまいで苦しむ人が一人でも救われるのを私は望んでいます。是非、めまいに有効な理学療法を一緒に学びましょう!
10:00〜11:00 めまいの基礎と種類
11:10〜12:10 良性発作性頭位めまい症の基礎と重篤疾患の鑑別
12:10〜13:00 お昼休み
13:00〜14:30 良性発作性頭位めまい症の評価と治療
14:40〜16:00 めまい後遺症に対するアプローチ
タイムテーブルは予定であり、進行状況によって前後する可能性があります。
匿名希望 理学療法士 4年目
めまいのアプローチということがあることを知ることができ、これからめまいの患者さんが来たときにも慌てず対応出来そうです。
治療は、説明をきちんとしないと驚かれたりするかもしれないので信頼関係を築きつつ頑張りたいと思います。
匿名希望 理学療法士 5年目
今までめまいの訴えがある患者に対して何も出来ない状態でしたが、セミナーは実技も多く、とても勉強になりました